Webディレクターとプロジェクトマネージャーの違い
僕は、関わる会社によってWebディレクター、もしくはプロジェクトマネージャーとして参画することが多いです。
僕自身、Webディレクターとプロジェクトマネージャーを特に使い分けるはあまりしておらず、お世話になる会社の職能に合わせています。
というのも僕の経験則ですが、クライアントから「Webディレクターが足りないんだけど、今あいてますか?」とか「PMがいなくてねぇ~」といった相談を受けますが、詳細を聞くと呼び名が異なるだけで、結局は同じ役割の人を求めています。
なので、Webディレクターとプロジェクトマネージャーは呼び名が違うだけで、やることは同じであると考えていました。
今お世話になっている会社では、僕はプロジェクトマネージャーとしてアサインされているのですが、とある方からWebディレクターとプロジェクトマネージャーの違いについて質問されました。
ここでは質問してきた方をNさんとします。
N 「ディレクターとは、何する人でしょうか?」
僕 「んー、僕の解釈ですがディレクターは、そのプロジェクトの中でみんながやらないこと全部をやる人です(Webディレクターとは参照)」
N 「飯塚さんはプロジェクトマネージャーですけど、ディレクターとの違いはなんでしょうか?」
僕 「う~ん、役割かぶってるので両方とも違いはないですね」
と説明をしました。
Nさんは「ほ〜、なるほどー、参考になりました!他の人にも聞いて回りたいと思います」と言ってすぐさま周りの方に同じ質問をしていました。
その時は「いろんな解釈があるのだろうな」と思いながら自分の業務に戻りましたが、今までちゃんと考えたことがなかったので、これを機に真剣に考えてみることにしました。
まず、google先生にお伺いをたててみました。
Webディレクター
ディレクターとは、「監督」や「指揮する人」の意味。Webサイトを制作する際に、webデザイナー、Webプログラマー、コーディング担当など制作スタッフをまとめ、プロジェクト全体の進行管理・品質管理をする仕事です。映画の助監督や監督の仕事を思い浮かべるとイメージできるかもしれません。クライアントの要望と作業現場を均衡に保てるよう統括し、品質と納期を管理しながら、サイト完成へと導きます。Webサイト制作の仕事は、大抵いくつか掛け持ちの状態で進むため、プロジェクトを効率よく管理する必要があります。また、Webサイトの命であるコンテンツの品質を高めるために、企画や撮影・取材にも積極的にかかわる必要がります。場合によっては、WebディレクターがWebプランニング自体を行う、つまりWebプランナーも兼ねることもあります。
引用元:http://www.naritai.com/catalogue/archives/2006/04/web_1.php
プロジェクトマネージャー
プロジェクトの総合的な責任者である事も。プロジェクトの進行およびプロジェクトの成果に責任持つ。
決められた範囲内や予算内でプロジェクトの進行の為にメンバーと論議し利益を上げる為の明確なビジョンを造り、目標達成に向けてプロジェクトを進行させていく。
誰が何をやるかといった指導を行うだけでなく浮き上がって来た課題の整理整頓も行うが、いかに用意周到に事前の検討を行ったとしてもすべてを正確に識別して対応策を用意する事は実質上不可能である事を前提にし、損害を出さないよう速やかに自ら対応策をその都度実行していかなくてはならない。
論議そのものはプロジェクト全員が行う作業であるのでマネージャの専有業務ではないがその際に知りえた情報を自分だけに留めず、その都度プロジェクト全体で情報を共有する様にする役割をも持ちプロジェクトのメンバーからの意見を汲み上げ円滑に進められる様にプロジェクトの改良をしながら成果を出す事が求められる。
引用元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3
う~ん、同じですね。。。
強いて言えば、Webディレクターはプランニングをしたりするケースもある、という点が違いでしょうか。
となると、Webディレクターとプロジェクトマネージャーの違いは、プランニングを行う可能性があるかないか、ってことになりますね。
う~ん、そうなのかな、、、
あんまり腹落ち感はないな。。。
なので、次にWebディレクターのWebをはずして、ただのディレクターとした場合はどういう定義か調べてみました。
ディレクター
制作物の作品としての質に責任を持つ者のこと。その責務を全うするために、企画・立案・制作に関与して業務全般をつかさどる場合もある(この場合は「ディレクター職の者がプランナー職・プロデューサー職も兼任することが多い」と言うこともできる。ディレクター本来の担当範囲は企画・制作に及ぶものではない)。制作物の経済的責任を持つプロデューサーと対をなすポジション。
日本では主にテレビ関係の放送番組やビデオ制作において、放送局や制作プロダクションに所属している場合が多く、放送作家やプロデューサーらと打ち合わせの会議を行った後、スタジオや副調整室・ロケーション先で、出演者やカメラマン、音声などの技術スタッフを指揮しながら、作品の構成を直接行う演出責任者の職種をいう。映画の場合は伝統的に「監督」と呼ぶが、職務内容は重なっている。ラジオ関係の放送番組やイベントの進行指揮を行う職種でもある。
引用元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC
ふ~む、なるほど。
普段ディレクターと言ってますが、企画・立案・制作に関与して全般を仕切る場合があるという点から、Web屋で言うところのクリエイティブディレクター、アートディレクター、制作ディレクターのそれぞれをまとめてディレクターと呼んでいると受け取れます。
そう考えると先ほどの、プランニングを行う可能性があるかないか、ってのはあながち間違っているわけではなさそうです。
確かに、プロジェクトマネージャーが受発注前、つまり営業ベースでかかわるフェーズで、プロジェクトマネージャーが企画考えたりするって聞いたことないな。
うん。
このあたりにヒントがあるのかも。
ちょっとWeb制作フローと職能をマッピングしてみました。
関わるタイミングとしては、ディレクターもプロジェクトマネージャーも同じですね。
ここにディレクターはプランニングをする点を考慮すると、ディレクターはプランニングしたものを、プロジェクトマネージャーに伝え、プロジェクト計画を立ててもらうことになります。
(ここで言うプランニングは、クライアントの要件に対して、何を提案するかを具体化する作業として考えています)
つまり、
こういう説明文が付与される形になります。
これだけで十分そうですが、この図を何度か見返していたら、ふと昔のことを思い出しました。
その昔、コンペに参加した時のことですが、クライアントから面白い話を聞かされたことがあります。
僕らのプレゼンが終わった後のことです。(クライアントをCとします)
C 「いや〜、現実的なご提案で安心しました。先ほど別の会社からの内容がひどくてね〜、はっはっは」
僕 「えっ?差し支えなければどんな内容だったのか教えていただけますでしょうか?」
C 「こちらのRFP無視して、5倍以上の見積もり提示されたんですよ。いやー、驚きました。」
これは極端な例かもしれないですが、プランナーにも理想の追求にこだわり要件を無視して「でかい花火をあげましょう」という人がいます。
わかってて提案するならまだしも、自分が何を販売しているかよくわかっていない企画営業なんかにはよくあるのではないかと思います。
つまり、プランニングの際にもプロジェクトの要素である、目的・タスク・スケジュール・コスト・体制・リスク・調達は理解できていないとWebディレクターは務まらないということが言えます。
そう考えると、以下のようになります。
うんうん。理解できました。
まとめると、
ディレクターとプロジェクトマネージャーは、プランニング・プロジェクトマネジメントができる。
ただし、プランニングのフェーズでクライアントの要件から何を作るかを考える人をディレクター、ディレクターが作りたいものをプロジェクト化するのをプロジェクトマネージャーが担う。
(もちろん、ディレクター・プロジェクトマネージャーとで分けないですべてを担当することもある)
ここまでたどり着くのに1週間ほどかかりました。。。
あくまで個人的な見解なので、異なる意見をお持ちの方もいると思います。
Webディレクターとプロジェクトマネージャーの違いに限らず、Web屋の職能の定義はいろんなところで議論されていると思います。
誰も正解を持っていないと思うので、自身の言葉で正しく伝えられれば、他人の意見など気にしなくていいと思います。
さて、この定義でいくと、僕は受注前のプランニング(一般的には営業ベースで動くところ)も担当しているのでディレクターですね。
う〜ん
不満はないのですが、ポートフォリオとかプロジェクトマネージャーできます!という売り込みで作ってしまっているから直すの面倒だな。。。
あ、ブログのサブタイトル変えようかな。。。。
コメント一覧
こんばんは。
いきなり失礼いたします。
当サイトページでの
『ディレクターとプロジェクトマネージャは、プランニング・プロジェクトマネジメントができる。』
これを2018年1月に、社会に公表なさるとは、私が気になると、ググッたのが、2022年1月なので、4年も先見の目ありますね。
いきなりですが、師匠とお呼びしてもいいですか?
それはさておき、
『ディレクターとプロジェクトマネージャ』
near・equalだと、お話できる方を探しておりました。
それだけでも感激感謝でございます。
貴殿は、お忙しいかとぞんじます。
ご返答のほど、お待ちしております。