リスクマネジメントで一番難しいこと


プロマネらしい記事が書いていないことに気がついたので、本日は、プロジェクトのリスクマネジメントについてお話します。

 

まず手始めに、言葉の意味について理解することにします。

リスクってそのまま訳すと「危険」とかそういう意味になりますが、そのままだと「危険を管理する」となります。

もうちょっと具体化したいので、wikipediaを見ました。

 

wikipediaによると、

 

 

リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失などの回避または低減をはかるプロセスをいう。

 

とのことです。

 

なるほど。

だいたいこの手の類のワードは意味がわかりづらかったりするのですが、今回は理解できますね。

 

このままでもよいですが、僕の言葉にすると、

  • 問題を未然に防ぐ
  • 問題が発生した場合にどうするか

 

をあらかじめ考えておくこと、となります。

この2点について詳細に説明していきたいと思います。

 

問題を未然に防ぐ

要件定義中、プロジェクト計画の策定中、プロジェクト進行中、などなどプロジェクトにかかわるすべてのフェーズで、「リスク」は発生します。

 

わかりやすいリスクの例を挙げると、

  1. 追加要件が発生した場合に、クライアントから予算の確保が出来ないと言われる。
  2. クライアント側の意思決定者の海外出張が多い。
  3. 制作期間がタイトなため、担当者が休むと納期に間に合わない。

 

などです。

 

このようにリスクが顕在化しているものに対して、それが起きないよう防止案、を考えて実行することを指します。

 

上記の例に対して、防止策を考えると、

  1. 要件定義をしっかりやる。さらに、バッファを含めて予算を確保してもらうようクライアントにお願いする。
  2. 会議・作業の時間をあらかじめ確保いただく。また、skypeなどを利用した遠隔会議をできるように準備する。
  3. 段階的に公開するなどスケジュール調整を提案する。また、作業者を冗長化しておく。

 

のようなものが案として上げられます。

 

これらを実行して、リスクの発生を未然に防ぎます。

 

問題が発生した場合にどうするか

上記で、予防線を張っていたとしても、やはり発生してしまうことはあります。

発生したときに備えて、発生したらどうするかを事前に考えておくことをさします。

 

上記の例に対して、案を考えると

  1. 追加分に相当する機能とトレード・オフする。
  2. 遠隔操作で意思決定をいただく。
  3. 冗長化しているリソースをアサインする。

 

のようなものが案となります。

 

これらは発生したら実行するので、取り越し苦労になる可能性もあります。

 

とはいえ、全部のリスクの対応方法を事前に検討できるか、というと正直難しいです。

 

「備えあれば憂いなし」、なんて言葉があるとおり、どれだけ考えておいても損はないのだから、やっておくべきなのだ!

 

といわれればそのとおりなのですが、プロジェクトは限られた時間の中で、進めていく必要があります。

 

なので、「小さいリスク」や、「大洪水や戦争」が発生したらどうするのか、なんていちいち考えていられません。

 

そういうものは「享受する」、つまり、諦めるという選択も必要です。

 

その場合は、発生したら、都度そのタイミングで対応を考えると言うことになります。

 

リスクマネジメントの課題

リスクマネジメントを行うにあたり、前提があります。

それは、マネジメントする対象であるリスクが認知できていることです。

 

なので、

 

そもそもリスクに気がつかない(気づけない)

 

という場合はリスクマネジメントができないのです。

 

なので、リスクを顕在化させるという対応が必要になるのです。

 

これについては、プロジェクト計画を作るたびに結構考えました。

 

考えに考え抜いた結果、出した答えは、

 

人の目を増やす

 

です。

 

これは、ドラゴンボールで言うところの天津飯になることを意味してはいません(大丈夫ですよね、笑)

 

第三者に見てもらって、意見をもらうということです。

 

ただ、闇雲に人を集めてもプロジェクトの説明や、相手の理解のための質疑応答の工数がかなりかかるので、

 

自分が苦手なフェーズや専門分野外のタスクに絞り、それらのプロフェッショナルである第三者の意見を得る

 

をすることで、効率的にリスクの顕在化ができます。

 

もちろん、これで完全に洗い出すことは無理かと思いますが、ある程度は網羅できるのと考えています。

 

最後に

プロジェクトをマネジメントする以上、「リスクがない」ってことはありません。

なので、

 

リスク = 悪いこと

 

として捕らえると発生しないようにがんばるのではなく、上手に付き合ってけるようにする必要があります。

 

健全なプロジェクト推進のためには、リスクマネジメントを行う立場であるプロジェクトマネージャーも健全でないと成立しません。

(ナウシカ的な自己犠牲の発想はあってもいいですが、規模が大きいと精神的にも肉体的には持ちません)

 

ただ、このリスクマネジメントでできる役割はプロジェクトマネージャーしかできません。(まぁディレクターでもいいけど。。。)

 

そう気を張らずに、でも関係者を不安にさせないためにも、自分流のリスクマネジメントを見つけてみてください。

 

Author:yukio iizuka
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フリーランスとしてUX視点で業務支援しています。 HCD-Net認定 人間中心設計専門家 LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテーター Hi-Standard好きです。
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